一般に、子どもが不登校になった時、親は子どもに原因を見出そうと奮闘し、学校へ戻そうとします。
その結果、子どもが元気にならないどころか、親子の関係がより悪化してしまいます。

筆者は、親側の思考癖や不要な概念に基づいた行動が、子どもに伝わることで、不登校者を生みだす結果に繋がると考えており、親が、他人からの評価を気にせず自分軸で生きる考え方を持つことが必要であると伝えています。

本書では、筆者のカウンセリング体験や、心理学、潜在意識の仕組みを通して、不登校や引きこもりの問題を減らすことを目指しています。

本書を読んでみて

不登校やひきこもりの期間が長い程、心の中に渦巻く要因を認識しづらくなり、解決するまでに要する時間が多くなります。

できる限り早く要因を汲み取れることも大切なので、親子のコミュニケーションを怠らず、信頼関係を構築することは重要であると改めて認識しました。

実は、私自身過去にひきこもりの経験があるので、本書を読んでいて、当時の親の自分に対する不安や、焦りの気持ちを客観的に感じることができました。

私の場合は、親とのコミュニケーション頻度はかなり少なく、一人で悩む時間が多かったです。その後、自分を奮い立たせて無我夢中で行動していました。

今思えば、自分の人生と向き合わず何も考えずに生きていたので、他人に責任転嫁したかったのだと思います。親に負担を掛けましたが、一人で悩む時間を持てたことは、本当に良かったと思っています。

概要について

全5章から構成されています。

・1章
子どもの不登校に繋がる要因について触れています。

我慢や、謙遜自己犠牲などの古い習慣や考え方が、子どもをコントロールし、子どもが自分で考える機会を失うだけでなく、自己肯定感を下げることに繋がると述べており、親は、子どもの内面を素直に受け入れることが大切であると伝えています。

他には、家族同士のコミュニケーションについて触れており、親子関係なく対等に話せることや、お互い素直に尊重し合えることが必要であると伝えています。

・2章
不登校にある子どもの行動について触れています。(昼夜逆転生活、ゲームやスマホ依存、罪悪感由来の自己否定の表現、リストカット、親への暴言)

親は、どんな状況においても、表面だけでその行動を排除又は禁止せず、行動の裏にある心理を汲み取ることが大切であると伝えています。

また、親だけで対処できない場合は、カウンセラーや引きこもり専門機関への相談を勧めています。

・3章
不登校になった子どもに気を付けることについて触れています。

親は、他人の目や、先入観、世間の常識から切り離して、子どもの話を全身全霊で聞くことが大切でであると伝えています。
これは、親子の信頼関係の構築に繋がると述べています。

他には、子どもに対して干渉しすぎないことについて触れており、子どもが悩む時間を持つことは、自立の為に必要であり、子どもがとるべき課題であれば何もせず見守る必要があることを伝えています。

また、子どもへの承認についても触れており、何もしてなくてもそのままの存在に価値があることを子どもに伝えることで、子どもの生きるエネルギーの増加や、親子の信頼関係の構築につながると伝えています。

・4章
子どもをありのまま受け入れることについて触れています。

子どもを学校に行けないことへの不安や心配を手放し、子供のそのままの存在を受け止めることが大切であると伝えています。

・5章
母親の心が軽くなるためのヒントについて触れています。

母親としてでなく、自分らしくいられる時間を持ち自己肯定感を上げることが大切であると述べています。

また、親の人生と子どもの人生は別であると割り切り、自分らしく生きる人生を考えることで、今を生きることが楽しくなることを伝えています。

本書の魅力について

筆者のカウンセリングの実体験を取り挙げている為、筆者の気持ちが同じ境遇にいる方々にダイレクトに伝わります(私自身ひきこもりの経験があるからかもしれませんが)。

他には、親視点での子どもの接し方について具体的に触れている為、実践しやすいです。

まとめ

今回は、「不登校は子どもからの「メッセージ」」について取り挙げました。同じ境遇で悩まれている方に是非読んでいただき、お子様の心を開くヒントにしていただければ幸いです。

最後に、「不登校やひきこもりで悩んでいる本人の視点からの悩みへの向き合い方」について本書に記載されていなかったので、以下に記載します。
私の体験になりますが、少しでも力になれれば嬉しいです。

<私がひきこもりから立ち直る為にやったこと>

①毎日でなくても、自分が不登校やひきこもりになるきっかけ(出来事)や、その時の素直な気持ち今の気持ちを頻繁に残すようにして、自分を客観的に見る機会を増やしてみてください。

②続けていく中で段々内容が纏まってくるので、それを要因として認識できたら、解決に向けて、自分ができる小さなことから始めてみてください。相談できるなら、家族にも話してみてください。

不登校やひきこもりの期間が長い程、自分の心の中にある要因となるものへ黒い霧がどんどん覆ってしまい、やがて自分で認識するのが困難になっていきます。

その結果、要因自体を認識できなくなり汲み取るまでに要する時間が増えるだけでなく本当に汲み取れたのかも分からなくなってしまうのが一番厄介なことです。

焦らすつもりはないですが、心の問題は、早めに対処できる方が解決も早くなります。

悩みを抱える方々が、1日でも早く元気に復帰できることを祈ってます。

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他の書籍も紹介していますので、是非読んでみてください!
ここまで読んでくださりありがとうございました。